■世を忍ぶ仮の姿の大学時代
──大学に入ってからは、演劇、音楽、お笑いと3つの団体に所属
していたということですが、やっぱりどれも同じくらい興味があっ
た?
閣下 とにかく小さい頃から、人に対して何かを表現するのは得意
だったわけだ。まあ、何をやっても必ず一番うまくできるわけだよ。
遠足のバスでは必ずマイクを握っていたし、学芸会とかお楽しみ会
があれば、自分が中心になってしきっていたし。要するに面白そう
なことは全部任せろと思っていた。
──じゃあ、まずは音楽から伺いましょう。やはり歌うのは得意だっ
たんですよね。
閣下 とにかく誰よりも歌うのは一番うまい、という自信があった
からな。高校の学園祭の時には、マイウェイと昴、与作なんて3曲を歌ったんだけど、3曲とも盛り上がり系で、ヴォーカリストが気持ちいい曲ばっかり。我が輩は気持ちがいいんだが、バックは大変だ。3曲とも演奏のタッチが全然違うからな(笑)。
──大学に入って音楽サークルに入るわけですよね。聖飢魔IIは
いつぐらいから始まったんですか?
閣下 大学の一年からもう聖飢魔IIは始まっていたな。
──デビューしてからの聖飢魔IIと、当時は何か違いってあった
んですか?
閣下 いや、その時からほとんど同じ形態でやっていた。最初に作っ
た曲は『悪魔組曲』という曲で、これはデビューしてからちゃんと
CD化されているし、よくよく考えてみると、大学時代に作ったの
は、ほとんどの曲がプロになってからもCDになったな。非常にム
ダがない(笑)。
──当時の活動は、基本的には聖飢魔IIが中心だったんですか?
閣下 いや、そうなんだけど、ちょっと複雑でな。ちゃんと活動し
てはいたんだけど……。うちの音楽サークルというのは、正式に登
録できるバンドはひとつだけなわけだ。聖飢魔IIを組んだ時には、
4年生がメンバーに入っていたので、正式には登録されなかったん
だな。4年生はOB扱いなので、3年生以下が組んだバンドじゃな
いと、正式登録されないわけだ。だから、聖飢魔IIはその時は
「正式」な活動ではなかった。ちゃんとやってるのに(笑)。
──結局、正式登録はされたんですか(笑)?
閣下 その後、正式に聖飢魔IIが登録されたのは……ええと、2
年生の時の合宿があって……その時は違うし……あれ? もしかし
たら、ずっと登録されなかったかもしれないな。
──聖飢魔IIの他はどんな感じで。とにかく数多くのバンドを
やっていたと聞いてますが。
閣下 そうだなあ、結局全部で30バンドくらいでやったかな。も
ちろん、その中でもちゃんとというか、長く活動することを目的と
したバンドは5バンドくらいだったんだが。メインで活動するバン
ドと、例えばイベント毎にお遊びで組むバンドと掛け持ちしたりす
るわけで。まあ、お遊びの方は、普段あんまりできないような曲を
やったりとか、担当パートを全部入れ替えて……ギターの奴がドラ
ムをやったりとか。そういう感じだ。
■演劇と音楽の間で
──さて、次は演劇なんですが。
閣下 実は、プロとして活動する可能性が一番早くにあったのは、
俳優の道だったのだ。演劇の養成所に入って活動していたんだが、
最短でオーディションに残ったりしてだな。結局、卒業試験に合格して、所属俳優として登録されたし。学生時代から既にタレント名鑑にきちんと名前が載っていたぞ。
──え、そうなんですか? じゃあ、ちょっとしたきっかけがあれ
ば、今頃は俳優としての閣下もあり得たわけですね。
閣下 そういうことになるな。プロになる、というところで言えば、
音楽は一番可能性が低かったというか……。演劇と、お笑いと音楽
があって、音楽が一番プロからは遠かった。我が輩としては「ああ、
このまま俳優として、自分は表現活動をやっていくのだろうなあ」
と感じていたし。
──聖飢魔IIのデビューは学生の時ですよね? プロダクション
に入っていて、問題なかったんですか?
閣下 いや、それはやっぱりもめたよ。一応我が輩は所属俳優とい
うことになっていたからな。レコード会社にデビューの話を持ちか
けられてから、トントン拍子に話が進んでしまって。レコード会社
の担当に「プロダクションの所属タレントなんですけれど、重複し
てもいいんですか?」みたいな感じで聞いてみたり。結局、うまい
こと劇団を辞めさせられたんだけどな。まあ、こっちもその時には
俳優が一番という感じじゃなかったし。
──それまでは俳優として歩むつもりだったのに、結局、音楽プロ
ダクションを選択したのはなぜなんでしょう?
閣下 簡単に言うとだな。俳優の仕事が少なかったからだ(笑)。
一応、劇団所属俳優ということにはなってはいるものの、半年以上
ロクな仕事がなかったからな。なんか、つまらないエキストラ仕事
とかばっかりで。このままで過ごすのだったら、目の前で大きな仕
事が待っている方をとりあえずやろうと思っただけだよ。
(次週に続く)
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